2017年は春のKYOTOGRAPHIEから始まり、写真がより好きになった一年でした。
今年はさらに写真を掘り下げようと気分を盛り上げていた矢先、悲報が舞い込んできました。
職場の近くにある、富士フイルム直営プロラボの窓口・クリエイト大阪が3月末に閉鎖するそうです。
「クリエイト大阪」店舗閉鎖のご案内(2018年1月5日)
……寂しい。
現在も、窓口機能しかなかったようで、現像やプリントは東京のラボへ送っていたとのこと。かつては大阪でもやっていたけど、何年か前に縮小されたそうな。
発表資料によると、閉鎖後はネット受付を利用して欲しいと。なるほど。
窓口で渡したものが東京へ送られるのなら、客自身が送っても時間的には同じか、わずかに便利かもしれない。(送料負担は馬鹿にならないと思うけど)
でもね、窓口にスタッフさんがいるって大事だと思うの。
フィルム写真に真剣に取り組み始めて約三ヶ月。
何年も前の未現像フィルムの現像や、感度の足りない白黒フィルムの増感について相談できることの心強さは、ネット注文では再現できないもの。
デジタルプリントでも、展示に向けてどんな風に仕上げたいか、アドバイスをいただきながら試行錯誤できたのは、スタッフさんがいてくれたからこそなわけで。
すべてを自分でやっちゃうという人もいるだろうし、今の時代そのほうが多いかもしれない。
でも「初めてさん」にとっては、顔を突き合わせて、モニタやフィルムを見ながら経験豊富なプロに相談できるのはこの上ない学びになると思う。
もちろん、プロラボはクリエイト大阪ひとつじゃないから、他の選択肢を探せばいいんだけども。
ただ、選択肢が少なくなればなるほど、行動に繋げられる機会は減ってしまう。
私の場合だと、職場から近いという立地があったから、フィルムへのこだわりを磨くきっかけのひとつになった。
これが、時間も手間もお金も追加しなければならないとなると、ちょっとペースダウンしちゃうかもしれない。
運のいい環境だったから甘えてるだけだ! と言われたら返す言葉もない。
だけど、そんな運のいい環境だったからこそ、ここまで来ることができた。
もっともっと時間もお金も手間もかかる状況なら、踏み出せていなかったと思う。
だから、とにかく寂しい……。
いや、寂しい寂しいと言っているだけではただのワガママちゃんですね。
実際、フィルムの現像やプリントは激減しているだろうし、中でも白黒フィルムやリバーサルは絶滅危惧種でしょう。
その中で、事業として維持していくのがいかに困難であるか、容易に想像できます。
年々選択肢が狭まるフィルムも、手に入るだけでもありがたいという状況のようです。
必要な技術を身に着けるコスト(お金、時間)を惜しんでいるようでは、フィルムは続けられない。
そういった状況の中で、フィルムを選択し、続けるのはなぜか。
それが見えつつある今、もう少し掘り下げていきたい気持ちが大きい。
もしかしたら、クリエイト大阪の閉鎖は、フィルム写真をさらに深く考えるためのきっかけなのかもしれない。
そうだとしても、やっぱり寂しいことに変わりないんだけど。
3月末といえば、フィルム写真ゼミの最終月になる。
ゼミの修了展には間に合わないかもしれないけど、最後までお願いしたいと思っています。
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