KYOTOGRAPHIE2017のメインプログラムのひとつ、京都文化博物館別館で開催されている「Raphaël Dallaporta | ラファエル・ダラポルタ ショーヴェ洞窟」を観てきました。
約36,000年前の洞窟壁画の写真ということですが、聞いただけではピンと来ないですよね^^;
でも実際に観てとっても良かったし、絵を勉強している方にもぜひ観てほしいと思いましたので、かんたんにご紹介。
この展覧会のメインは、巨大な4KのLEDディスプレー(ソニーPCL)によるインスタレーション。
とにかくデカイ。
モニタ面は4つのエリアにわかれ、すこしカーブを描くように設置されています。
会場風景は「世界屈指の文化都市の京都を舞台に国際写真祭を催す | BUSINESS ECOSYSTEM【日本ユニシス】」が参考になります。
モニタの前には「人間をダメにするクッション」が置かれており、寝転がって鑑賞することができます。
残念ながら、わたしが行ったときは少し混雑していて利用することはできませんでした。
もちろん、立ち見でも充分すぎる迫力があります。
巨大画面では洞窟の写真がゆっくりと視線を動かすようにスクロールされていきます。
画面にカーブがあるため、まるで洞窟の中にいるような感覚になります。
ポイントは、画面中央に陣取ること!
端っこでも迫力がありますが、真ん中が一番イイです。
30分くらいかけてゆっくりと上映されていますので、時間に余裕を持っていきましょう。
で、写真作品としてどうかといわれれば、正直わたしにはわかりません。(おい)
ただ、大変に貴重な映像であることはわかります。
とくに、壁画の部分は必見です。
「約36,000年前の世界最古のアート」ということですが、生き生きとした筆致、正確な描写、ときには少しユーモラスな表情まで。
とてもそんな大昔の絵だとは思えません。
歴史や考古学のことはさっぱりですが、この壁画から感じられる生命力はとても瑞々しい。
牛の群れが大移動する轟音や、獲物を狙うライオンの息遣いが聞こえてきそうなほどです。
そして、じっと見入っていると、まさに今、そこにいて筆を走らせるアーティストの姿が浮かび上がってくるようです。
少なくとも「描くこと」については36,000年も今も同じなんだと感じられました。
あるいは、36,000年前の彼らのほうが、モチーフを凝視し、本質を見極めていたかもしれない……。
日々厳しい暮らしの中で、何を見つめ、感じ、描いたんだろうか。
生活の必要のために描いたのかもしれないし、娯楽のひとつだったのかもしれない。
さまざまに思いを巡らせながら、気づけばその「作品郡」に捕らわれていました。
ところで、ここに写っている「作品」の筆致はどれも似ているように思います。
同一人物なのかなぁとか。
どこかに説明があったのかもしれませんが、見落としてしまいました^^;
あまりの衝撃に酔ったような気分になりながら会場を出た後、ふと思いました。
この壁画が持つ力を損なうことなく写真として記録してしまうこと、それがラファエル・ダラポルタという写真家の凄さなのかも……
「でも洞窟の写真でしょ??」
と思われるかもしれませんが、ぜひ観てほしい展覧会でした。
とくに、絵を描く勉強をされている方にはオススメです。
この記事でご紹介した展覧会の詳細はこちら↓
KYOTOGRAPHIE | Raphaël Dallaporta 「ショーヴェ洞窟」 | 2017
コメント