Instagram を使い込んでいくうちに、残念な投稿を目にするようになりました。
というのも、あるアカウントの投稿がどうも統一感がないというか……撮影された国もバラバラのようだし、旅行で撮ったってわけでもなさそう。なにより、商用写真ぽいのもある。
ちょっと気になって、グーグル先生に聞いてみました。
画像検索、便利便利♥
そうしたら、ばっちり出てきました。
私が調べた写真は、食べログにあるお店がメニュー紹介に使用している写真でした。どうみてもスタジオで撮ったぽいやつ・笑
そうこうしているうち、写真を盗用されたという涙ながらの投稿がタイムラインに……
その方にはファンがたくさんいて、みなさん我が事のように憤り、通報してきた!! と鼻息荒くコメントされておりました。
気持ちはわかる。ものすごーーーくよく分かる。
しかし、ちょっと深呼吸して落ち着こう。
知的財産(著作)権の申し立ては、それほどカンタンではありません。
というのも、カンタンに申し立てができるなら、成りすましもカンタンにできてしまうからです。
というわけで、Instagram の知的財産権侵害に関する対応策を調べてみました。
Instagram で不適切なコンテンツを報告するには…?
Instagram の場合、誰かが「素敵!」と思った画像をリポストすることがあります。以前の記事でちょっとだけ紹介した、コミュニティなどがその代表です。
その場合は、作者アカウントをタグ付けするなど、著作者がわかるようにします。
そうでない場合は、ガイドライン違反となります。
また当然ながら、Instagram上の画像・Web上で見つけた画像を勝手にキャプチャ(スクリーンショット)して投稿するのもガイドライン違反。
発見した場合、「不適切なコンテンツ」として Instagram へ報告することができる、ということになっているのですが……
Instagramアカウントをお持ちであれば、不正使用、スパム、その他Instagram コミュニティ規定に違反している事柄について、アプリから報告することができます。
投稿を報告するには:
投稿の上にある「…(・が横に3つ)」 (iOSの場合)、または 「︙(・が縦に3つ)」(Androidの場合)をタップします。
[報告]をタップします。
画面の説明に従います。プロフィールを報告するには:
プロフィールの右上の「…(・が横に3つ)」 (iOSの場合)、または「︙(・が縦に3つ)」(Androidの場合)をタップします。
[報告]をタップします。
画面の説明に従います。
実際にアプリから上記の通り試してみると、報告できる項目は以下のようになっています。
投稿を報告する場合
画面最下部が見きれていますが、最後の項目として「単に気に入らない」があります。
ここで該当するのは「知的財産権の侵害」になりますが、タップして進むと以下のようになり、次項の「著作権侵害を訴える方法」につながっています。
アカウント(プロフィール)を報告する場合
ここでは「不適切なコンテンツを投稿している」という項目がありますが、タップして次の項目を開くと該当するものが見つかりません。
そうなると「無許可で私の著作物を投稿している可能性がある」になりそうですが、ここをタップすると……
はい、再び出てきました。
結局、「著作権侵害を訴える」しか道はないのようです。
Instagram で著作権侵害を訴える方法
Instagram では、著作権侵害の申し立てをすることができます。
ヘルプセンターには、
著作権侵害の申し立てを提出する前に、コンテンツを投稿した人物に連絡を取ることをおすすめします。Instagramに連絡することなく、問題を解決できる場合があります。
と書かれています。
問題の人物と直接交渉して解決できたら、めでたしめでたし!
しかし、言語の問題や相手が開き直る・逆ギレするなど問題解決に至らない場合もあるかと思います。
そういった場合、Instagram へ通報することができますが、『ボタン一つでハイ通報しますた!』とはいかないようです。
著作権違反を通報する場合、たしかにそのコンテンツが著作者本人のものであることを証明する必要が生じます。
Instagram のヘルプセンターには、以下のように説明があります。
著作権侵害の報告
何者かがあなたの著作権作品を許可なく使用していると思われる場合は、こちらのフォームに記入してください。Instagramの指定代理人にメールで連絡することもできます。報告に著作権侵害の申し立てに必要なすべての情報を含めていただく必要があります。
「著作権侵害の申し立てに必要な全ての情報」とは、以下のようになっています。
- 連絡先情報(氏名、住所、電話番号)。通常、申立人の連絡先情報(氏名やメールアドレスなど)、権利所有者である所属団体やクライアントの名称、報告の内容を、報告対象となっているコンテンツを投稿した人に提供します。当事者同士で連絡を取る必要がある場合にそなえて、ビジネス用のメールアドレスを記載することをおすすめします。
- 侵害されたと思われる著作権作品の詳細。
- お客様が所有する著作権を侵害していると思われるコンテンツの詳細。
- 該当する素材を特定するために十分な情報。これには、当該のコンテンツに直接リンクするウェブアドレス(URL)を提供していただくのが最も簡単な方法です。
- 以下の声明:
- あなたは、上記の著作権で保護されているコンテンツについて、お客様の申し立てにある方法による使用が著作権所有者、その代理人または法律によって認められていないと考えます。
- 記載されている情報が正確であること
- あなたは、偽証罪に問われることを承知の上で、あなたが侵害の申し立てを提出する独占的所有権の所有者であり、またはその正式な代理人であることを言明します。
- 電子署名または物理的署名
Instagramヘルプセンター
「著作権侵害の申し立て報告をInstagramに提出する場合、何を記載する必要がありますか。」
……必要情報の項目を見ただけで全てを諦めたくなるのは私だけでしょうか。
電子署名なんて、存在すら知らない人もたくさんいるだろうし、仮に聞いたことはあってもその方法を知っている人はごく少数でしょう。
なにより、気軽に投稿する Instagram の写真に電子署名をつけようという個人はどのくらいいるだろう……
その他の項目も、非常にハードルが高い。
当然ながら、本人以外の周囲の人間が、善意からとはいえホイホイ通報できるものではありません。
仮に「このコンテンツの所有者は別の人で、これは盗作コンテンツだ!」と通報したところで、それほど影響力はないでしょう。
もちろんこれは、Instagram の嫌がらせや個人のコンテンツなんて大した価値なんてないだろ? というような傲慢な姿勢ではなく、権利を主張するのはこれほど難しい、ということです。
権利を侵害された方からすると、その作品が自分の物であることは明白で、腹立たしく悲しいことです。
では、そのデジタルコンテンツがたしかに自分のものであるという証明は、メールだけでできますか?
悪意のあるヤツが、誰かになりすまして「そのコンテンツは自分のものである」と訴えているかもしれません。
いやいや、そんなことはあり得ん!
と、言えますか?
面識のない Instagramヘルプセンターの中の人が良識を持った素晴らしい人物であったとしても、あなたのメールが本当に正しいという証明はできないんです。
私は仕事で Webサイトを運営していて、サポートも行っています。ユーザーからいろいろな問い合わせを受けてきました。
それらが全て、真に正しく本人のものであると証明することはできません。
小さな Webサイトだから、信用基準でなんとかやっています。だけど、 Instagram ほど世界的にも大規模なサイトでは、そうはいきません。
誰が見ても疑いようのない「証拠」が必要になるのです。
権利侵害に立ち向かう? 開き直る?
権利の侵害は、簡単に行われます。侵害しているという意識さえ無いかもしれません。
でも、権利を証明するのは、非常に非常に非常に大変なんです。
たとえば、名画の作者の鑑定が容易ではないように。
そんなのひどい! ありえない!!
と憤ったところで、残念ですが現実です。
Instagram に限ったことではありません。
インターネット上の楽しいコミュニケーションには、こういった問題がそこかしこに転がっています。
そして、完璧に解決する方法は、少なくとも今のところありません。
プロはどうしているのか? カンタンにコンテンツを盗まれて黙っているのか。
プロは、自分のコンテンツ=商品を守るためにコストをかけています。
電子署名は当然のことながら、権利侵害に対する法的準備もしているはずです。
これは、Web上のコンテンツがカンタンに盗まれてしまうことへのリスクヘッジです。それができなければ、ビジネスになりません。
個人(非営利)でも、Web という同じフィールドで作品を公開する以上、権利侵害のリスクはプロと同じです。
万が一に備えてコストをかけるか、あるいは、いっそ開き直ってしまうか。
私は、開き直る方を選びました。悪意・非常識のモンスターは人間語が通じないし、コストをかけるほど金銭的価値の高いコンテンツでもないし。
ただ、最低限の主張として spice tea の写真は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)の「BY – NC – SA(表示—非営利—継承)」で公開しています。
表示—非営利—継承
原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示し、かつ非営利目的に限り、また改変を行った際には元の作品と同じ組み合わせのCCライセンスで公開することを主な条件に、改変したり再配布したりすることができるCCライセンス。
となっておりますので、クレジットさえどこかにいれていただければ、リポストしようが転載しようがご自由に。
また、上記を無視してどこかのモンスターが自分の作品であるかのように堂々と盗作しても、あまり気にしません。どうぞご勝手に。
いっそ、転載したよ! ってご連絡いただけたら、ささやかながらブログでご紹介したいと思います。(吊し上げとか公開処刑ではなく、純粋にネタとして)
ただし、それで金儲けをしようというなら、少しは本気で頑張る気になるかもしれません。
使いようのない写真ばっかだけどね!
ま、世の中何が起こるかわかりません。
天地がひっくり返って西から太陽が昇る朝、私の写真を買いたいという人が現れたら、その時からリスクヘッジを検討したいと思います。
あくまで「検討」で。
自分でできる盗用防止策
このまま終わってしまうと無慈悲な記事になってしまうような気がするので、ささやかながら自衛策を考えてみましょう。
手軽にできて効果がありそうなのは、画像にクレジットを入れておくことです。
スマホの画像編集ツールなどを使用して、Instagram アカウントやニックネーム、または自分オリジナルのマークなどを作成して、画像に合成しておきましょう。
クレジットを入れる場合、画像の隅っこよりも、なるべく真ん中に近いほうがより効果的です。
クレジットが画像の邪魔をしては本末転倒になりますので、ちょっとおしゃれなロゴを作って画像全体としてイイ感じに見えるように工夫すると良さそうです。
上記の画像は、↓このアプリで編集しました。
私も以前、ブログで公開する画像に入れていたのですが、面倒になってやめました^^;
ところで話は冒頭に戻りますが、「通報してきた!!」と息巻いていたみなさん、どうやって通報したんだろう……??
もしかしたら、私が見つけられなかった方法があるのかもしれません。
情報がありましたら教えてください┏○))ペコ
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